他人の都合を一切顧みず、マウンティングや無理な要求を平然と繰り返す親たち。なぜ彼女たちは、周囲に迷惑をかけている自覚を持てないのか。
脳科学者の中野信子氏は、著作やメディアで「他人に制裁を加えたり、集団内で優位に立とうとしたりする行為は、脳内でドーパミンが分泌される快楽を伴う」という趣旨の指摘を行っている。人間には、所属する共同体のルールから逸脱した者を叩くことで集団の結束を保とうとする防衛本能が備わっているが、これが歪んだ形で暴走すると、正義感を装った執拗な支配や攻撃へと変貌するのだ。
一方、教育評論家の「尾木ママ」こと尾木直樹氏も、現代の親たちが抱える孤立とプレッシャーの危険性を長年訴え続けている。周囲と比較され、「完璧な子育てをしなければならない」という不安に押しつぶされそうな親ほど、手近な他者をコントロールして精神の安定を図ろうとする傾向が強い。過度な競争意識と承認欲求が、歪んだ自己中心性を生み出す温床になっている。