八剱神社には、1443年(室町時代の嘉吉3年)から途絶えることなく書き継がれてきた「御渡り帳(みわたりちょう)」という古文書が保管されています。天候、気温、氷のせり上がった方角、さらにはその年の農作物の豊凶や世相までを克明に記したこの記録は、世界気象機関(WMO)や国際的な気候学者からも「人類最古級の連続気象観測データ」として極めて高い評価を受けています。
しかし、諏訪湖 御神渡り 過去の記録を巨視的に分析すると、近年の劇的な環境変化が浮き彫りになります。かつて昭和初期まではほぼ毎年観測されていた御神渡りが、平成から令和にかけて急速に姿を消し、氷が張らない「明けの海」の出現率が急上昇しているのです。
諏訪湖 明けの海 理由の根底にあるのは、冬の夜間における最低気温の底上げです。かつて諏訪地域ではマイナス15℃を下回る寒夜が珍しくありませんでしたが、気象庁の長期統計データを見ても平均気温は明確に上昇傾向を示しています。氷が厚く成長する前に暖気が入る、あるいは強風で氷が流されてしまうパターンが増加しており、自然の警鐘として重く受け止められています。