長年にわたる放浪生活に終止符が打たれたのは、2010年代半ばを過ぎた頃でした。異臭や衛生状態の悪化を巡り、鉄道会社や一般市民から警察・自治体への通報が激増したことがきっかけです。
特に神奈川県の川崎駅周辺での目撃が相次いだ際、警察官と救急隊が駆けつけ、男性を説得のうえで救急搬送・医療保護入院させる事態となりました。路上生活者が自力での生命維持が困難な状態に陥っている場合、自治体や警察は「保護観察」や「職権による受診」を促すセーフティネットを発動させます。
搬送先の病院では、命を脅かしていた患部である左足の切断手術が行われたと伝えられています。敗血症の危機を脱した男性は、そのまま路上へ戻されることなく、生活保護の受給手続きや要介護認定を受け、公的な支援ルートへと乗せられることになりました。これによって、長きにわたり首都圏の電車内を騒がせた放浪劇は幕を下ろすこととなったのです。