近年、地球温暖化と海水温の上昇に伴い、カリブ海沿岸部を苦しめているのが大量のホンダワラ類(Sargassum)の漂着だ。ビーチを埋め尽くし、分解時に強烈な悪臭を放つこの海藻は、観光業にとって長年の頭痛の種であった。しかし2026年の現在、現地ではこの脅威を資源へと変えるクリーンテックのスタートアップが芽吹いている。
回収された海藻は、脱炭素社会に向けたバイオ燃料の原料や、軽量で断熱性の高い建築用レンガ「サルガブロック」へと加工されている。かつては海岸を汚す廃棄物とみなされていた海藻が、現地の住宅課題を解決する安価な資材や再生可能エネルギーとして生まれ変わりつつある。環境リスクを逆手に取った実用的なイノベーションが、ここユカタンから世界へと発信されているのだ。