『スマイルプリキュア!』に登場する黄瀬やよい、そして彼女が変身するキュアピースが、時代を超えて支持を集め続ける最大の理由は、完璧すぎない等身大のヒーロー像と親しみやすさの絶妙なバランスにある。プリキュアシリーズに登場する変身ヒロインたちは、凛とした強さや誇り高き正義感を前面に押し出すことが多い。しかし、やよいは極度の引っ込み思案で、不安になるとすぐに涙をこぼしてしまう弱さを持っていた。
自分が思いを込めて描いたイラストや漫画に対する強い情熱を秘めつつも、自信のなさから一歩を踏み出せない彼女の葛藤は、観客が自らの感情を投影しやすい普遍的なテーマだ。土壇場のピンチにおいて、大切な仲間や自分の夢を守るために奮起する姿は、従来の魔法少女アニメが描いてきた「強く気高い存在」という固定観念を心地よく崩し、多くの人々の記憶に刻み込まれたのである。