目の前に運ばれてきた瞬間、誰もが息を呑む。丼のフタなど最初から閉まるはずもない。うずたかく積まれた分厚いとんかつと、それを優しく、しかし容赦なく包み込む黄金色の玉子。総重量は普通サイズですら一般的な食堂の大盛りを軽々と凌駕する。
なぜこれほどまでのスケール感になったのか。店主の「安くお腹いっぱい食べてほしい」というシンプルな職人魂が、年月とともに純粋進化を遂げた結果だ。単なる大食いチャレンジの領域を超え、芸術的な美しさすら漂うこのフォルム。日本橋のサブカルチャー精神と見事にシンクロし、今や関西を代表する名物へと上り詰めた。