近年の作品で大きな旋風を巻き起こしたのが、伊藤沙莉が主演を務めた『虎に翼』だ。日本初の女性弁護士および裁判官となった女性をモデルに、法の下の平等やジェンダーの相克という重厚なテーマに正面から挑んだ。従来の「健気なヒロインの成長物語」という枠組みを軽やかに打ち破り、現代社会が抱える葛藤をリアルに描写した点が絶賛された。
本作の勝因は、視聴率という目に見える数字以上に「SNSでの拡散力と共感の広がり」にあった。毎朝の放送直後からX(旧Twitter)などで熱い議論が巻き起こり、リアルの視聴率以上に深い視聴体験を生み出した。批評性と娯楽性をハイレベルで両立させた現代朝ドラの到達点と言えるだろう。