口の中に潰瘍ができると、わずかな塩分や水分の接触でも強い痛みが走ります。「塩水で消毒すれば治る」という俗説の真偽について、近年の口腔外科学の研究は非常に興味深い回答を示しています。結論から言えば、塩水自体に強力な抗菌作用や殺菌力があるわけではありません。目的はあくまで、患部を刺激せずに清掃し、口内の自浄作用を高めることにあります。
医療情報メディア『Medical Note』や『NHK健康チャンネル』などの医療啓発コンテンツでも専門家が指摘している通り、水道水でのうがいよりも生理食塩水を用いた方が、露出した神経組織への刺激が大幅に軽減されます。細胞の浸透圧と同等の水分で洗い流すことで、組織の乾燥を防ぎ、上皮化(粘膜の再生)をスムーズにする環境が整うのです。