宮島を深く味わうには、平安時代の歴史ロマンに思いを馳せるのが一番だ。12世紀、平安末期の有力武将であった平清盛は、厳島神社を篤く崇敬し、現在見られるような海上壮大な社殿群を造営した。瀬戸内海の海上交通を掌握し、日宋貿易を開いた清盛にとって、この地はまさに文化と経済の要衝であった。
神社から少し歩いてロープウェイに乗り、宮島の最高峰である「弥山(みせん)」を目指すのもおすすめだ。巨岩が並ぶ山頂からのパノラマは、瀬戸内海に浮かぶ数々の島々を一望する息をのむ美しさ。かつて弘法大師が開山したとされる霊峰の空気に触れれば、清盛がなぜこの場所を聖地と定めたのか、その理由が身体全体で理解できるはずだ。