山﨑賢人が挑む『夏への扉』タイムトラベルの結末と衝撃の伏線にまつわる役立つ知識を詳しく紐解きます。

ハヤカワ文庫の青背として長年親しまれ、日本のSFファンにとっても「絶対的な聖域」と目されてきた原作。これを実写映画化するというプロジェクトは、当初から映画界で大きな注目と同時に慎重な視線を集めていた。その重圧を引き受けたのが、数々の青春映画で卓越した情感を描いてきた三木孝浩監督だ。

三木監督は原作の持つ古典的なタイムトラベルの魅力を損なうことなく、現代の観客が共感できる普遍的な愛の物語へと昇華させた。撮影時の裏話として、1995年の情景を再現するために当時のガジェットや雰囲気を細部まで徹底的に作り込んだことが挙げられる。宗一郎の研究室に置かれたアナログな機器類や、どこか懐かしい風景の色彩感は、CGだけに頼らない生々しいリアリティをスクリーンに吹き込んでいる。