かつてのミックステープ『Hope World』で見せたカラフルでポジティブな世界観は、彼の出発点に過ぎない。ソロアルバム『Jack In The Box』で解き放たれた内なる情熱と葛藤の物語は、今やさらに多層的なストーリーテリングへと昇華されている。ポップス、オールドスクール・ヒップホップ、そしてオルタナティブなロックサウンドまでも飲み込む自由自在なアプローチが、彼のトレードマークだ。
特筆すべきは、声の表現力における驚異的な振り幅である。軽快で跳ねるようなラッピンから、低音で呟くような語り、さらには感情を炸裂させるシャウトまで、トラックごとに異なった表情を見せる。完璧主義者として知られる彼がスタジオで重ねた緻密な試行錯誤が、音の一粒一粒からダイレクトに伝わってくる。