かつて日本の建設業界には、複雑な流通経路と曖昧な価格設定が根深く存在していた。プロ向け価格と施主向け価格が異なり、一般の消費者が建材の適正価格を知るすべはほとんどなかった。この不透明な構造に風穴を開けたのが、誰でも同じ価格で購入できる「ワンプライス制」と直販ウェブサイトの構築だ。
ウェブサイトでオープンに開示された価格体系は、施工施主にとって大きな解放感をもたらした。ハウスメーカーや工務店にお任せだった従来の家づくりから、施主自身が気に入ったパーツを選び、建築家に「これを組み込んでほしい」とリクエストするスタイルが定着。価格の透明性は、住まいづくりの主導権を消費者に取り戻させた文化的な転換点でもあった。