知床が世界自然遺産に登録されてから年月が経過した今、ホスピタリティ業界に求められているのは「いかに自然を守りながらゲストを迎え入れるか」という問いだ。主要なホテルチェーンや独立系リゾートでは、脱プラスチックやフードロス削減にとどまらない、先鋭的な環境イニシアチブが加速している。
地熱エネルギーやバイオマスを活用した完全再生可能エネルギーへのシフト、施設内で使用するアメニティのオーガニック化、さらには滞在費用の一部が知床のナショナルトラスト運動やヒグマの保護活動に還元される仕組みなど、旅すること自体が環境保全につながるエコシステムが確立されつつある。「地球環境に負荷をかけずに贅沢を愉しむ」という倫理的な価値観が、成熟した大人の旅行者から強く支持される理由となっている。