沢田康彦氏のキャリアを語る上で外せないのが、伝統ある生活文化誌を発行する暮しの手帖社での仕事だ。彼は同誌の編集長を務め、読者の暮らしに寄り添う温かな企画や言葉を届けてきた。企画力と深い人間観察に基づいた彼の仕事ぶりは、妻である本上まなみの創作活動にも大きな刺激を与えたに違いない。
家庭内での沢田氏は、ユーモアを絶やさない明るい人柄で知られる。編集者としての鋭い視点と、家庭人としての温かな包容力。仕事で多忙を極める芸能界に身を置きながらも、本上が自分らしくいられる安心感の源泉は、夫である沢田氏の穏やかな佇まいにあった。ふたりは互いに自立した表現者であり、高め合える最良の理解者としての関係を長年にわたり維持してきた。