『ちいかわ』世界における最大の謎であり、恐怖の象徴でもあるのが「キメラ化」現象だ。元々は可愛らしい存在だった者が、ストレスや欲望、あるいは突如として怪物へと変貌してしまう恐怖。劇場版では、この「なぜキメラになるのか」という根本的なメカニズムにスポットが当てられるとの見方が強い。
日々の厳しい討伐労働、草むしり検定という階級社会。そうした社会構造の歪みが極限に達したとき、人は(あるいは「ちいかわ」は)化物になるのではないか。このダークファンタジー的考察は、映画のスケール感と合致する。映像美とともに描かれる「元・仲間」との戦いは、観客に強烈なトラウマを残す可能性がある。