『ランチの女王』が今も伝説として語り継がれる最大の要因は、二度と再現不可能とまで言われる奇跡的なキャスティングにある。物語の中心となる洋食店「キッチンマカロニ」を取り巻く男たちとして、江口洋介、妻夫木聡、山下智久、堤真一が兄弟役で顔を揃え、さらに若手時代の山田孝之や森田剛、瑛太までもが脇を固めていた。
当時の日本のテレビドラマ黄金期を象徴するような熱気と、個性あふれる俳優陣の丁々発止の掛け合い。竹内結子さんが演じた麦田なつみが放つ圧倒的なヒロインの引力は、ドラマ全体のトーンを明るく、そしてどこか切なく彩っていた。全員が後に主役級へと駆け上がった事実を思えば、本作がいかに贅沢な巡り合わせで成立していたかがわかる。