日本の宇宙開発史において、「ウサギ」の名を冠した探査プロジェクトといえば、民間宇宙企業ispaceによる「HAKUTO-R」を外すことはできない。月面レース時代から続くこの挑戦は、幾多の失敗と技術革新を乗り越え、日本のものづくり技術の高さを世界に誇示してきた。
2026年に至る一連のミッションを通じて蓄積された月面着陸データとペロブスカイト太陽電池などの新技術検証は、今後の月面経済圏の確立に向けた確固たる礎となっている。官民学が一体となった取り組みは、かつて神話を語り継いだ日本人が、自らの技術で月面に到達する時代の到来を鮮烈に印象づけた。