この動きを理解する上で、日本のライブエンタテインメントを塗り替えた株式会社スマッシュの歴史を無視することはできない。苗場の山中で泥にまみれながら音楽の自由を叫び続けたフジロックフェスティバルの創設者、日高正博。彼が徹底して貫いた「音楽至上主義」と「現場主義」の精神は、形を変えながらも次世代のプレイヤーたちへと確実に受け継がれている。
「金儲けのために音楽をやるな、魂のために鳴らせ」――かつて日高が放った言葉は、デジタル化と効率化に飲み込まれかけたカルチャーシーンへの強烈なアンチテーゼとして今なお響く。今回浮上したプロジェクトも、まさにその反骨精神のDNAが色濃く反映されたものだ。商業主義への安易な迎合を潔しとしない姿勢が、既存のビジネスモデルに風穴を開けようとしている。