「ホルモンの旨味は、カットの厚みと温度管理で8割決まります」。そう語るのは、長年肉と向き合い続けてきた黒船総料理長だ。ホルモン焼きの真髄を極めたシェフの包丁裁きは滑らかで、部位ごとの繊維の走り方を見極めながら一刀両断していく。厚すぎても噛み切れず、薄すぎればジューシーさが失われる。まさに極限のバランス感覚だ。
看板であるホルモンのほか、一頭からわずかしか取れない希少部位のサガリやツラミ、幻の厚切りタンなど、品揃えの幅広さには思わず息をのむ。精肉卸売業で培った眼力とコネクションがあるからこそ、最高の状態を保ったままテーブルへと届けることができる。「本物の味を知ってほしい」という総料理長の妥協なき熱意が、ひとくち食べた瞬間の感動へと直結している。