信濃町を語る上で欠かせないのが、駅の南側に広がる明治神宮外苑の圧倒的な緑だ。2020年代半ばから本格化した再開発計画は、2026年に入り具体的な街の骨格となって姿を現し始めている。老朽化した体育施設の更新とともに、樹木保全と新たな緑地空間の創出がせめぎ合う中、駅周辺はまさにその「玄関口」としての重責を担う。
休日に駅を降り立つと、カメラを手にした散策客やランナーの姿が目立つ。歴史ある銀杏並木へのアクセスルートとして、駅からの歩行者動線はよりスムーズに整備された。風に揺れる木々の葉音を聴きながら歩を進める人々の表情には、都市の喧騒から解放された安らぎが浮かぶ。変わりゆく景観と、決して変わらない緑の記憶。その接点に、いまの信濃町がある。