「リーン(Lean)」、あるいはその鮮やかな色合いから「パープルドリンク」とも呼ばれるこの危険な自作カクテルは、処方箋が必要な咳止めシロップをスプライトなどの炭酸飲料で割り、飴菓子を溶かして作られる。シロップに含まれる有効成分コデインとプロメタジンが、脳のオピオイド受容体に作用し、強烈な多幸感と浮遊感をもたらすのだ。
もともと風邪薬として開発された医薬品が、なぜこれほどまでに濫用されるようになったのか。背景には製薬業界が製造する処方薬への心理的ハードルの低さがある。「違法薬物ではなく医薬品だから安全だ」という致命的な誤解が、若者たちの恐怖心を麻痺させているのだ。