地震雲は大地震の前兆なのか?気象庁と専門家が明かす科学的真相に関する基本知識をわかりやすくまとめました。要点を確実におさえることができます。

日本における地震研究の中枢である東京大学地震研究所や、かつて国が推進した地震予知研究計画においても、大気中の雲を用いた予測手法は主要な研究対象としては採用されていない。地殻内部の歪みや断層運動の監視には、高精度な地殻変動観測網(GNSS)や地下深くの傾斜計、地震計が用いられる。地球物理学の枠組みにおいて、前兆としての信頼性が議論されるのは、電離層の電子密度変化や地下水の水位・水質変動など、確実な物理的計測が可能な現象に限られる。

東京大学地震研究所の知見に照らしても、上空の雲が地殻の微弱な電磁波やガス放出によって特異な形状に変形するという説は、理論的な矛盾が多い。地表付近で雲の形を左右する要素は、あくまで気温、気圧、湿度、そして上空の偏西風などの気象条件だからだ。