メン地下ビジネスの主収益源は、チケット代ではなく終演後の物販にある。1枚2,000円から3,000円程度で販売されるチェキ券を購入すると、目当てのメンバーとツーショット写真を撮影し、1分前後のトークタイムが与えられる。シンプルに見えるこの仕組みだが、実態は緻密に計算された課金システムだ。
「10枚買えばまとめ撮影+ポーズ指定」「50枚で私物サイン」「100枚で10分間のオフ会参加権」。グループごとに設定された特典のインフレは止まらない。人気メンバーの順番を待つ列は蛇行し、ファンは推しと少しでも長く話したい、他のファンよりも特別な存在だと思われたい一心で、何度も物販窓口へ足を運ぶ。一晩で十数万円を消費することも珍しくなく、ランキング上位のファンには「認知」や特別な対応が与えられる。そこにあるのは、憧れを超えた、金額によって可視化される優越感と依存のループである。