日本のペットフード産業は、いま大きな構造変化の最中にある。日本ペットフード協会がまとめた動向調査によると、猫の飼育頭数は高い水準を維持し続けており、なかでも1頭あたりにかける「お祝い・イベント費」の支出額が伸び続けている。かつては乾物中心だったキャットフードの市場に、彩り豊かなペット用スイーツという新ジャンルが完全に定着した格好だ。
この変化を象徴するのが、素材へのこだわりだ。人間の食品レベルの衛生管理で作られる「ヒューマングレード」の食材使用は当たり前。着色料に天然の野菜パウダーを用い、ベースには国産の鶏ささみや新鮮な赤身魚のペーストをふんだんに使用した商品が店頭を飾る。ペットを「伴侶動物(コンパニオン・アニマル)」と捉える価値観の広がりが、消費の質を根本から変えている。