世界で最も過酷な視線に晒された2世タレントの代表格が、ジョニー・デップとヴァネッサ・パラディを親に持つリリー・ローズ・デップだろう。彼女が主演を務めた米HBO制作のドラマ『THE IDOL/ジ・アイドル』は、配信前から大きな注目を集めた。
だが、作品が公開されるや否や、過激な描写とともに彼女のキャスティングに対する議論が過熱した。恵まれたバックグラウンドを持つ彼女が、搾取されるポップスターを演じることに対する批評家の反応は真っ二つに割れた。HBOという世界トップクラスのクオリティを誇るスタジオの野心作であったからこそ、観客は彼女に対して「親譲りの美貌」以上の圧倒的な説得力を求めたのである。ネポベイビーというレッテルを剥がすことがいかに困難かを象徴する出来事となった。