漫画家・清水茜が月刊少年シリウス(講談社)で連載を開始した当時、誰がこれほどの世界的ブームを予測できただろうか。専門的で難解になりがちな人体の免疫仕組みを、魅力的で個性豊かなキャラクターへと落とし込んだ手腕は天才的である。
本作が打ち立てた擬人化ファンタジーというジャンルの金字塔は、エンターテインメントの可能性を劇的に拡張した。講談社の編集担当者との二人三脚によって練り上げられた緻密な設定は、単なるコメディにとどまらず、生命の神秘に対する深い敬意に満ちあふれている。教科書を開くのが億劫だった若者たちが、自らの身体の中で起きている「戦争」に目を奪われ、生物学への興味を開花させた功績は計り知れない。