この街を語る上で絶対に外せないのが、全国のカレーマニアから熱い視線を注がれるスパイスカルチャーの存在だ。街角を歩けば、どこからともなく芳醇なクミンやコリアンダーの香りが漂ってくる。老舗スパイスカレー店から、斬新な出汁カレーを提案する新進気鋭のショップまで、半径数百メートルの中に驚くべき密度で名店がひしめき合っている。
なぜ円町なのか? その背景には、かつて学生街として栄えた歴史と、家賃の比較的手頃な物件が多く存在したという地理的要因がある。若きシェフたちが実験的なメニューを次々と打ち出し、それに舌の肥えた地元の学生やカレーフリークが応えることで、独自の「円町系スパイススープ」とでも呼ぶべき独自の文化が確立されたのだ。いまや週末には、全国からこの一皿を求めて行列ができる。