「本当に得をしたいなら、席に着いていきなり定番のサーモンに手を伸ばすのは避けたほうがいい」――そう明かすのは、大手チェーンで20年以上バイヤーを務めてきた業界関係者だ。
彼らプロが口を揃えるのは、「その日のアプリ通知や店内のポップで最も大きくアピールされている数量限定ネタ」こそが、企業の利益を削って集客のために投入された最大の還元品だという事実だ。特に、天候や水揚げ状況によってゲリラ的に投入される「端材を使った軍艦」や「店仕込みの漬け」は、高級魚の希少部位が破格で提供される知る人ぞ知る狙い目ネタとなる。
また、全国規模のメガチェーンだけでなく、北陸や北海道、九州を本拠地とする地域密着型ローカルチェーンの台頭も見逃せない。独自の流通網を持ち、地元漁港から朝獲れの地魚をその日の昼にレーンへ流す名店群は、一皿数百円の価格設定でありながら、都心の高級寿司店を凌駕する鮮度と満足度を叩き出している。