モスクワやサンクトペテルブルクといった大都市で急激に跳ね上がった生活コストは、若年層の価値観を揺さぶった。ITスキルを持つエンジニアやクリエイターの一部が、格安で放置された木造家屋(イズバ)を買い取り、地方へと移住する動きが強まっている。
20代後半の元Webデザイナー、アレーナ・ソコロワ氏は昨年、ニジニ・ノヴゴロド州の過疎村へ移り住んだ。「都市での家賃と日用品の値上がりに追われる生活に疲れ果てていた。ここでは井戸水を汲み、薪を割る労力は要るが、精神的な自由と圧倒的な固定費の安さがある」と明かす。彼女のような移住者は、廃屋同然だった伝統建築をリノベーションし、新たなコミュニティの核を作りつつある。