本作の撮影現場となっているロンドン郊外の撮影スタジオには、他を寄せ付けない異彩を放つ500平米巨大セットが組み上げられた。最新のデジタル撮影技術とアナログな特撮技術が融合したこの空間は、全方向が音響遮音パネルと可動式照明グリッドで包囲されている。
ノーラン監督といえば、本物の航空機を爆破し、実物大の街並みを建設することで知られるが、今回のセット設計は徹底して「空間の最小化と密度の最大化」を狙っている。500平米巨大セットの中に構築された多層構造の部屋は、壁面や天井が水圧と油圧シリンダーによってリアルタイムで変形する仕組みを備えており、キャストたちはCG合成用グリーンバックではなく、リアルに歪む空間の中で演技を繰り広げているのだ。