ローファーの足元が語る歴史は実に深い。1960年代、アメリカ東海岸の名門大学に通う若者たちが生み出したアイビールック。彼らのライフスタイルや着こなしを鮮烈に捉えた伝説の写真集『TAKE IVY』にも、サドルシューズやコインローファーを素足感覚で履きこなす学生たちの姿がリアルに記録されている。
世界初のコインローファーを生み出した「G.H. BASS」の「Weejuns(ウィージャンズ)」は、まさにその歴史的象徴だ。アッパーのストラップに1セント硬貨を挟む当時の流行から「ペニーローファー」の名が定着したというエピソードは、今なお服飾好きの心を揺さぶる。アメカジという広大なカルチャーの中で、ローファーは単なる履物ではなく、軽快さと知性を象徴する不可欠なアイコンであり続けている。