公演の構成は、従来のコンサートの概念を覆すストーリー性にあふれていた。アップテンポな代表曲で開幕と同時に一気に観客のボレロを加速させたかと思えば、中盤ではアコースティック編成による密室感あふれる静寂のセッションへと移り変わる。この「静と動」の振れ幅こそが、彼女の真骨頂だ。
会場を埋め尽くしたペンライトの光が波のように揺れるなか、突如として披露された未発表の新曲には悲鳴にも似た歓声が上がった。複雑な変拍子と切ないメロディラインが同居するその楽曲は、彼女の音楽的探究心が今なお進化の過程にあることを強く物語っている。予測不能な展開に、観客は最後まで心を掴まれっぱなしだった。