円安傾向の定着と訪日外国人客数の過去最高更新が続く2026年、観光客が求める体験の質は大きく変化している。ガイドブック通りの高級店ではなく、地元のサラリーマンや学生が普段使いする「本物のローカルスポット」への集中だ。その象徴が浅草や上野に位置する店舗である。
アメリカから訪れた30代の旅行者は、まぐろの赤身を頬張りながら満面の笑みを浮かべた。「SNSで見た通りの臨場感。AIロボットが運んでくる店も近代的で面白いが、ここでは職人が笑顔で『はい、マグロ!』と差し出してくれる。この生のコミュニケーションこそが、日本で体験したかったことだ」。英語メニューの拡充やキャッシュレス決済の導入といった最低限のアップデートを施しつつも、コアとなる人間味を愚直に保ち続ける姿勢が、世界中のトラベラーの心を捉えて離さない。