激震が収まった瞬間、沿岸部に残された選択肢は「上へ逃げる」ことだけだ。気象庁は震源域でマグニチュード8クラスの巨大地震が発生したと判断した場合、即座に大津波警報を発表する。この緊急情報は瞬時にJ-ALERT(全国瞬時警報システム)を介して全国の防災行政無線やスマートフォンへ一斉同報される。
大津波警報の画面に「巨大」という文字が並んだとき、すでに巨大な波は目と鼻の先まで迫っている。防潮堤の存在を過信してはならない。東日本大震災の教訓が物語る通り、ハードウェアの防御限界を超える規模の津波は軽々と構造物を乗り越えてくる。非常用持ち出し袋を探す数秒の迷いが生死の分かれ目となる。