南口を出て西側へわずか数分歩くと、雰囲気は一変する。戦後の闇市から続く木造長屋がひしめく通称「エキニシ(駅西エリア)」だ。近年、若手シェフやUターン起業家によるリノベーションが相次ぎ、昭和レトロな街並みとエッジの効いた最新グルメが融合する激戦区として世界的な注目を集めている。
幅2メートルほどの狭い路地に、スパイス料理とナチュラルワインの店、こだわりのジビエ串を焼く炭火焼き店、そして昔ながらの頑固親父が営む居酒屋がぎゅっと凝縮されている。隣の客と肩が触れ合うほどの距離感で乾杯を交わせば、初めて会った者同士でも一瞬で打ち解けてしまう。新駅ビルの洗練とは対極にある、生々しく熱い人間味あふれるグルーヴがエキニシには満ちている。