原作者であるJ・K・ローリングが執筆した原作小説と、スクリーンの映像美との間には、長年のファンの間で語り継がれる決定的な隔たりが存在する。最も顕著な例が、ゴーストたちの「絶命日パーティー」や、ポルターガイストのピーブズに纏わるエピソードの省略だ。これらは単なる彩りではなく、魔法世界の日常感とユーモアを醸し出す重要な要素だった。
メガホンをとったクリス・コロンバス監督は、限定された上映時間のなかでミステリー要素とアクションのテンポを優先する判断を下した。その結果、主演のダニエル・ラドクリフ演じる主人公が抱く「蛇の言葉(パーセルタング)を話せることへの恐怖」や、スリザリンの継承者ではないかという周囲からの孤立感が、より切迫したトーンで描かれることとなった。