表現の進化は、大企業やプロのスタジオだけで起きているのではない。pixivなどのイラストコミュニケーションサービスでは、日々世界中から無数のファンアートやオリジナル作品が投稿され、独自のデフォルメトレンドが秒単位でアップデートされている。瞳のハイライトの入れ方、頬の赤らめ方、指先の丸め方に至るまで、コミュニティ内で相互に刺激し合いながら、新たな様式美が次々と生まれている。
画像生成テクノロジーの普及によって、リアルな質感の絵画を短時間で作成することが容易になった。しかし皮肉なことに、その技術革新によって、人間独自の「どこを誇張し、どこを捨てるか」という主観的な取捨選択の価値が再評価されている。機械的な整合性をあえて崩し、感情のピークを大胆に表現する作家個人の作家性は、より際立った個性として輝きを放っている。