近年の世界的な畜産リスクとして各国の供給網を揺るがしているのが、高病原性鳥インフルエンザの感染拡大である。北米や欧州、アジア諸国で数千万羽規模の殺処分が相次ぐ中、ブラジルは商用養鶏場における清浄国ステータスを死守し続けてきた。
ブラジル動物性タンパク質協会 (ABPA)の主導のもと、商業農場では外部車両の徹底消毒、野鳥の侵入を防ぐ強固な防鳥ネットの設置、作業員の衛生管理が厳密にマニュアル化されている。農林水産省とブラジル政府の間では、万が一の発生時にも全国一律の輸入停止ではなく、発生した州単位・農場単位で措置を講じる「地域主義(コンパートメント化)」の合意が結ばれており、日本への供給途絶を最小限に抑えるリスク分散体制が整えられている。