原作者である枢やなが構築した世界観は、耽美さと容赦のない冷徹さが混ざり合う唯一無二のものだ。セバスチャン・ミカエリスという男の魅力は、「完璧な従者」という表の顔と、「底知れぬ捕食者」という本性の二面性に集約される。
契約の印が刻まれた右手、そして復讐を果たした後にシエルの魂を喰らうという冷酷な取り決め。作中で彼が見せるわずかな笑みや冷淡な眼差しには、物語の核心に関わる重大な伏線が随所に散りばめられている。『劇場版 黒執事 Book of the Atlantic』で見せた激しいアクションや過去回想シーンを見返しても分かる通り、彼の行動原理は一貫して悪魔としての美学と愉悦に基づいているのだ。