彼女の代表曲として不朽の名作と称される『ラヴ・イズ・オーヴァー』。この曲が誕生し、ロングヒットへと至る道筋には、当時の東芝EMI制作陣との熾烈な情熱のぶつかり合いがあった。当初はB面曲として静かに世に出たこのバラードは、彼女自身が「この歌には特別な命がある」と信じ、ライブで歌い続けたことでじわじわと口コミが広がっていった。
別れの切なさと深い感謝、そして再生への祈りが込められた歌詞。それを絞り出すように歌い上げるボーカルの凄み。有線放送から火がつき、やがて全日本人の心に浸透していったドラマは、計算されたマーケティングではなく、歌唱そのものが持っていた圧倒的な説得力によるものだった。