館山の魅力を語る上で、黒潮が育む豊かな食文化は外せない。港に揚がる伊勢海老や朝獲れの地魚を味わえる老舗食堂に加え、近年は地場の食材を革新的な技法で提供するオーベルジュやレストランが話題を集めている。捕れたての魚介類を適切な熟成で仕込み、洗練されたフレンチやイタリアンへと昇華させる若いシェフたちの挑戦が目立つ。
さらに注目したいのは、温暖な気候を生かした農業の進化だ。有機野菜や熱帯果樹の生産に取り組む農家が増え、料理人と連携した「ファーム・トゥ・テーブル」の取り組みが広がっている。地元市場「渚の駅 たてやま」には朝から多くの人々が集まり、その日の食卓を彩る鮮烈な味覚を買い求めていく。