今回、特別に取材許可を得て厨房の奥へと足を踏み入れた。早朝から仕込みに追われるスタッフの鋭い視線と、整然と並べられた極上の肉塊が我々を迎えてくれる。店舗を展開する株式会社黒船の仕入れルートは極めて独特だ。競りでの競合を避け、長年の信頼関係によって結ばれた生産者から直接買い付けることで、他店では滅多にお目にかかれない鮮度の部位を常時確保しているという。
仕込みの手を休めることなく語るスタッフの手元からは、長年の経験に裏打ちされた無駄のない職人技が見て取れる。一見すれば力仕事に見える下処理だが、血抜きや筋引きの精度がミリ単位で味を左右する。この丁寧な手仕事こそが、臭みのない極上の肉を生み出す最大の原動力なのだ。