「皮は小麦と水、塩だけのシンプルな世界。だからこそ、その日の湿度と温度で水分量を1パーセント単位で変えなければならない」――新宿の老舗で40年以上にわたり焼き場を守り続ける職人はそう語る。餡に使う豚肉の赤身と脂身の比率は7対3。そこに粗みじんのキャベツとニラを加え、練り上げる手の温度すら肉の鮮度を左右する。
厚手の南部鉄器の鍋に餃子を並べ、湯を注ぎ、蓋を閉める。立ち込める蒸気の中で皮に火が通り、湯が蒸発した瞬間に少量の油を注ぎ入れて一気に焼き目を付ける。この一連の動作に一切の無駄はない。新宿という巨大な坩堝の中で、何十年も磨き抜かれてきた手仕事。今夜もまた、この街のどこかで心地よい焼き音が響き、訪れる人の心を温めている。 (出典: 新宿 餃子(Yahoo!ニュース))
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