透明度の高い海と豊かな自然に囲まれた熊本県天草市。その山間部へと続く細い小道を登っていくと、木々に覆われた一角に異彩を放つ施設が現れる。かつて全国から信者が集まり、独自の信仰生活を営んでいた拠点である。
近隣に住む高齢の住民は、往時の様子をこう振り返る。「かつては県外ナンバーの車が頻繁に行き来し、独特の白い衣装を身にまとった人々が見かけられたものです。しかし今では、人の出入りもすっかり途絶え、草木が生い茂るばかり。たまに見慣れない人物が訪れる程度で、かつての怪しげな活気は消え失せました」。
建物の外壁には幾年もの風雨に晒された痕跡が深く刻まれており、かつての喧騒が嘘のように静まり返っている。しかし、管理されている気配は完全に途絶えたわけではない。定期的に清掃や巡回を行っているとみられる人物の影が存在し、この場所が単なる廃墟ではなく、今なお何らかの象徴的拠点として維持されていることを物語っている。