キョンシー作品の爆発的ヒットは、東アジアの映画史における大きな転換点であった。特に香港映画の黄金期を創り出した映画会社ゴールデン・ハーベスト(嘉禾娛樂)の存在抜きに、この成功を語ることはできない。ブルース・リーやジャッキー・チェンを世に送り出した同社は、1985年に革新的な映画『霊幻道士』をプロデュースした。
伝統的な中国道教の民間伝承に登場する「跳躍する死体=キョンシー」をモチーフに、コミカルな要素と高度な格闘アクションを融合させたキョンシーホラーという新ジャンルがここに誕生した。恐怖と笑いが同居するこの手法は、当時のアジア映画産業全体に強烈なインパクトを与え、類似作品が次々と制作される大ブームの起爆剤となったのである。