お茶の間の認知度を一気に全国区へと押し上げた代表作といえば、KDDI株式会社が展開するauのCM「三太郎シリーズ」であることに異論はないだろう。桃太郎、浦島太郎、金太郎の賑やかな掛け合いの中に突如として現れた「一寸太郎」の役どころは、まさに彼の真骨頂だった。
手のひらサイズという特異なビジュアル設定でありながら、決して合成CGの違和感に埋没しない存在感を発揮した。現場ではグリーンバック撮影が多用される中、周囲の共演陣との細かな呼吸のズレを逆手に取り、独特のコミカルなアドリブを畳み掛けたという撮影秘話が残る。規格外のアイデアを柔軟に受け止める制作現場の熱量と、彼の瞬発力が共鳴したからこそ、一過性のギミックに終わらない愛されキャラクターとして定着した。