身寄りがない高齢者、複数の持病を抱える慢性期患者、さらには経済的な困難を抱える困窮層——。現代の医療機関が直面する患者像は複雑化の一途をたどっている。受診控えや行き場のない患者が増加する中、「断らない医療」を理念に掲げ続けることは決して容易ではない。
事務部門のソーシャルワーカーは、毎日のように生活相談や医療費の減免申請に対応している。「医療アクセスを金銭的な理由で諦めてほしくない」という強い意思が、現場を突き動かすエンジンだ。単に病気を診るだけでなく、社会的困窮の根底にある問題にアプローチする姿勢は、セーフティネットとしての病院の価値を改めて浮き彫りにしている。