異才・内藤まろの軌跡と現在 広告界を惹きつける演出と名作の裏側にまつわる興味深い視点を分かりやすく発信ます。

内藤のキャリアを語る上で欠かせないのが、広告代理店・博報堂での研鑽だ。競争が激化し、数多の才能がしのぎを削る広告業界のど真ん中で、彼は早くから卓越したCMプランニングのセンスを発揮していた。

15秒や30秒という極限まで削ぎ落とされた時間軸のなかで、いかにして人間の本質に触れるか。映像制作業界が技術偏重へと傾きかける時代にあっても、彼が徹底してこだわったのは「感情のリアリティ」だった。緻密に計算された構図と、日常の息遣いを感じさせる言葉の選び方。大声を張り上げて商品を連呼するのではなく、見る者の無意識にスッと入り込むような余白の設計こそが、彼のプランニングにおける真骨頂だった。