現在の延岡パンシーンに刺激を与えているプレイヤーの多くは、実は他業種からの転職組や、海外で修業を積んで Uターン・Iターンしてきた異色の職人たちだ。大手IT企業を辞めて渡仏し、本場のサワードゥ製法を学んだ店主は「延岡の水と気候は、じっくり時間をかけて発酵させるパン作りに完璧な環境なんです」と声を弾ませる。
機械による効率化を追うのではなく、夜通し温度管理を行い、手捏ねにこだわる。そうして生まれるパンは、大量生産では絶対に真似のできない深いコクと命の宿った食感を持つ。こうした職人たちのこだわりが、延岡の食文化全体を底上げしているのは間違いない。