1995年8月15日、戦後50周年の節目に閣議決定された「村山談話」は、日本の外交史と歴史認識に決定的な足跡を残した。過去のアジア諸国に対する植民地支配と侵略について「痛切な反省」と「心からのお詫び」を表明したこの談話は、国内外に極めて強いメッセージを投げかけた。
当時、官房長官を務めていた河野洋平氏をはじめ、与野党のキーマンたちとの粘り強い調整が連日繰り広げられた。自民党内のタカ派勢力からの激しい抵抗、閣内における意見の対立。すれ違いを埋めるために重ねられた泥臭い対話の末に、歴史的な文言が紡ぎ出された。村山富市という存在が異なる政治理念を結びつける接点となったからこそ、あの発表は日本内閣府の公式な見解として結実したのだ。